【走】多摩ロードレース 2008.3.30
多摩ロードレース 10km
2008年3月30日(日) 9:10〜
初めての10kmレースである。
しかし今回は、得意の泥縄にすらなっていない。なぜなら2週間前のハーフマラソン以来、まったく走っていないからだ。理由は、前回書いた内腿の傷がいつまでたっても治らなかったのに加え、風邪を引いて最高38.6℃の熱を出したりしていたから。腿の傷と風邪、その治り具合によっては参加を見合わせざるをえないと思っていた。しかし前日の段階で、どちらも90%程度までは回復していた。まったくトレーニングはしていないが、今回はハーフではなく、普段ジムでも走っている10km。それなら何とか走れるだろうということで、予定通り参加することにした。
開催場所は多摩陸上競技場。これが駅から遠い。いや、遠いのはいいのだが、驚くほど急な坂の上にあるので、さすがに参った。素直にバスで来るべきだった。8時30分近くに到着すると、もう開会式が始まっていて、大勢の人がスタンバイしていた。いつになくチームでの参加者が多いように見えた。年齢層は、学生と思しき若い人が多い。もう27回目になるので、何気にいろいろな伝統があるのだろう。
天候は曇で、予想最高気温は11度と、昨日より7度も寒くなっている。先週風邪をひいたのも、気温が急激に下がった日だったので要注意だ。しかも夕方から雨なので、低気圧が近づいているときの嫌な感じもある(雨であれ雪であれ、低気圧が近づくと僕は様々な面で体調が悪くなる)。
スタンドでTシャツにゼッケンを付けて着替え、トラックに降りる。今回は10kmなのでiPod無し(周りでもしている人はほとんどいない)、曇なので帽子も無し。上はTシャツ、下は短パンと、先日のハーフと同じ服装。腿の傷には一応絆創膏を貼ってあるが、何ぶん内腿なのではがれる可能性がある。念のためポーチに予備の絆創膏を入れておいた。
9時10分。号砲が鳴る。10kmの部だけで1300人程度いるので、けっこうな数だが、混み合って走れないようなことはない。少し咳が出て、薄い痰が早速のどにからむ。しかしこの程度なら何とかなるだろう。
まずはトラックを一周してから、外に出るのだが、トラックを出ようとした、まさにその瞬間…
ズキッ!
痛っ!!
何と左脚のふくらはぎがつったのである。
その場で動けなくなるような極端な痛みではないが、普段の鈍い痛みや重さとは明らかに違う、もっと鋭角的な痛み。まぎれもなくふくらはぎのつりである。
脇によけて、足の腱をのばす。とりあえずは走れるので走ることにする。しかし痛みは治まらない。
そのまま外に出る。しかし走れば走るほど痛みが増していき、ほとんどびっこを引くような感じになる。途中で何度も脇によけて腱を伸ばすが、ほとんど効果がない。どんどん周りに抜かれていくが、これはもはや記録の問題ではなく、完走できるかどうかの問題だ。
どうすべきか悩み、未練がましく走り続けたが、あるところで「ここで無理をしたら、また明日から走れなくなって、4月20日のハーフを走ることが出来ない。2つのレースを棒に振るよりも、1つを捨てて、もう1つを生かすべし」との結論に達し、ついにリタイア。途中で棄権するはめになってしまった。
リタイアタイムおよそ19分。距離は3km半くらいだろうか。
リタイアしたときは「3kmしか走れなかった」と思ったが、その後競技場まで歩いて戻りだして「3kmも走ってしまった」ことをつくづく後悔した。つった左脚を引きずりながら歩く3kmは、うんざりするほど長い! 何よりも辛いのは、気温が低いため、多少かいた汗が冷えて、ゾクゾクするほど寒いことだ。棄権するなら、もっと早く棄権すべきだった。
わずか10kmのレースなので、他の棄権者は僕よりもだいぶ前に引き返していた人(50〜60代)1人しか見なかった。とぼとぼ歩いていると、その内折り返してきたランナーが続々と脇を走り抜けていく。これはかなり虚しく、悲しい。仕方ないこととは言え、さすがに心が沈んだ。
ようやく競技場に帰り着いたのは、出発してから約57分後。
目標が50分を切ることだったので、これなら無理してそのままゆっくり走ってもあまり変わらなかったのではないかと、ますます虚しくなる(それがとんでもない間違いであることが、今はわかる)。
冷え切った体にセーターをかぶり、そそくさと競技場を離れる。いかに次のハーフのための前向きな撤退とは言え、落胆せずにはいられない。ああ、こんなことだったら、事前に参加自体をキャンセルすべきだった。考えが甘かった。
原因としては、風邪が治りきっていない状態での体調不良、準備運動の不足、低い気温下で短パンだったため脚が冷えたこと、低気圧の接近などいろいろあるが、やはり一番の問題は…
「2週間まったく走っていない状態で、いきなりレースに出てはいけません!」
これに尽きる。
これがハーフだったら事前にキャンセルした可能性が大きい。無理して出たのは「10kmなら何とかなるだろう」という甘い読みがあったからに他ならない。結果的にはご覧の通り。10kmを舐めてかかった結果、大きなしっぺ返しを食ったのである。「走った距離は裏切らない」というマラソンのことわざは真実だった。普段走っていなければ、たかが10kmと言えども門前払いを食わされるのである。
とは言え、この途中棄権がレース参加3回目、しかも10kmの小さな大会だったのは不幸中の幸いだった。
もし初めてのレース参加で棄権していたら、その際の自信喪失は想像するだに怖ろしく、容易には拭えないトラウマを植えつけられたことだろう。2回目でも「この前走れたのはビギナーズラックに違いない」という強い猜疑心に囚われたはず。しかしハーフを2回走った後なら「まあ、こういうこともあるさ。やはり調整不足で走ってはいけないのだ」と前向きに事態をとらえることができる。今回の件は、大きな教訓として、今後に役立てよう。
終了後は、一応予定通り多摩センターの極楽湯に行く。入ってみると意外なほど広いのに驚いた。高井戸の美しの湯はもちろん、仙川の湯けむりの里と比べても大きい。それにこちらは紛れもない温泉だ。まるでほうじ茶のような色をした温泉で、中に入ると何故かぬるぬるした感触。その温泉を使った湯船が屋外に3つ、屋内に1つある。アトラクション的な風呂は少ないが、この温泉は非常に気持ちが良い。
入ったのが11時前だったせいか、最初は空いていたし、客も年寄りばかりだったが、その内若い人たちがたくさん入ってくる。引き締まったいい体をした人たちが数人で入ってくるので、すぐにピンと来て、それとなく話に聞き耳を立てていると、案の定ロードレース帰りのランナーたちだ。やはり考えることは皆同じなのね。それなりのタイムで完走して、温泉に入って、風呂上がりにビールでも飲めたら、さぞかしいい気持ちだったろうになあ…
その後の脚だが、実はレース中よりもさらに悪くなっている。歩くのがかなり辛い。
ずっと「ふくらはぎのつり」と書いてきたが、単なるつりで、これだけ長時間同じような痛みが持続するのはおかしい。
これは軽度の「肉離れ」なのではなかろうか?
実は5年ほど前にも、ジムで走っている時に突然肉離れを起こしたことがある。その時は今回よりも遙かに酷くて、激痛をこらえながら家に帰った覚えがある。
今回は、その時と比べればだいぶマシだが、やはり肉離れの疑いが強い。
そして調べてみると、どうやら肉離れは患部を冷やさなくてはいけないらしい。ところが冷やすどころか、痛みにいいだろうと思い、延々1時間近く脚を温泉の中につけていたのだ! 症状が悪化したのは、そのためではなかろうか。
しかしまいった。5年前の肉離れでは、その後1か月以上走ることが出来なかった。今回は、その時よりは確実にマシだが、1週間で治ってくれるものなのだろうか? 2週間前からトレーニングが出来ないと、4月20日のハーフ出場はかなり辛いのだが…
明日、明後日は無理だが、水曜に整形外科で診てもらうことにしよう。今日は5年前の肉離れの時に買った冷湿布を貼って寝ることにする。使用期限は2007年の10月で切れているが、飲み薬ではないから別に害はないだろう。
やはり今回は、最初から出場を見合わせるべきだった。
なお内腿の傷も完全に治りきっていなかったため、また少し悪化してしまった。傷口に貼るバンドエイドを買おうとしたのだが、店頭で手に取って、バンドエイドはジョンソン・エンド・ジョンソンの製品であることに、何を今更のように気がついた。ジョンソン・エンド・ジョンソンは北京オリンピックのワールドワイドパートナー。しかも手に取った製品には、しっかりと北京五輪のマークが入っている。その上トドメのごとくMade in Chinaの文字! 3月以降のチベット弾圧に対する抗議として、個人的に北京オリンピックをボイコットする決心をしたばかり(個人的なボイコット=オリンピックを見ない。オリンピックの話をしない。スポンサーの製品を極力買わない。総じてオリンピックを盛り上げるような行為には一切荷担しない)。さすがに今これを買うわけにはいかないということで、ニチバンのケアリーブという製品(日本製)を買ったが、値段が100円ほど高かった。オリンピックのボイコットも細かい金がかかるものだな。
(2008年3月)
【追記】2008.4.17
肉離れは、その後整形外科で診てもらい、電気治療を受けたり湿布薬を貼ったりして、10日ほどでほぼ痛みはなくなった。しかしトレーニングせずに走れば、また同じ結果になると思い、肉離れを起こして11日後から、ジムでのランニングを再開。1日5kmずつ走ったのだが、4日目にまたかなりの痛みを覚え、症状が悪化してしまった。これではハーフを完走することは無理だろうし、仮に完走できても脚の状態がタダでは済みそうにない。やむを得ず4月20日の東日本国際親善マラソンは参加を断念することにした。エントリー料3780円、損した…
満を持して(?)レースに出るようになったはいいが、結局今シーズンの成果はハーフマラソン2回だけ。またしばらくはジムランナーに戻ってコツコツとトレーニングを重ね、今年10月からの本格的参戦を目指すことにしよう。
しかし今のところ、レースに出るたびに、どこかしら体に損傷を起こしているのが現実だ。慣れてくれば、ハーフ程度なら損傷無しに完走できるようになるのだろうか。やはりランニングはただ走ればいいというものではない。健康状態を万全に保ち、安全に走ることがいかに大切かを思い知らされた。来シーズンへの大きな教訓としよう。
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Comments
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Posted by: ディクトン | 04/06/2008 22:37