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03/04/2006

【映画】西暦2006年はキェシロフスキの年となる

kieslowski8sss


3年前に「西暦2003年はキェシロフスキの年となる」という文章を書いたが、彼の死からちょうど10年たった今年、西暦2006年もキェシロフスキの年となるようだ。


1.
3月18日から、渋谷のシネマ・アンジェリカで「キェシロフスキ・コレクション 2006」が開催される。現時点では詳細不明だが、全14プログラムとのこと。おそらく3年前に公開された作品群と同じ内容だろう。

2.
3月25日から渋谷のル・シネマにて『ふたりのベロニカ』がニュープリントでリバイバル公開される。
権利関係のゴタゴタがあって、ここ数年上映が出来なくなっていた作品だが、ニュープリントでリバイバルされるということは、おそらくトラブルが解決したのだろう。だとすれば年内には待望のDVD化も実現するに違いない。この名作中の名作を劇場でも家でも見られる日が、ついにやって来たのだ。

3.
キェシロフスキの遺稿を元にした『美しき運命の傷痕』が4月上旬から、ル・シネマ、銀座テアトル・シネマにて公開。
これは彼が構想していたダンテの『神曲』をモチーフにした三部作「天国」「地獄」「煉獄」の第2作目(第1作目はトム・ティクバ監督の『ヘヴン』)。脚本は完成していなかったはずだが、キェシロフスキと常に共同で脚本を書いていたクシシュトフ・ ピェシェヴィチが「脚本」にクレジットされ、監督のダニス・タノヴィッチ(『ノーマンズ・ランド』)が「脚色」となっているので、おそらくピェシェヴィチがキェシロフスキの生前の意向を汲みつつ、脚本を完成させ、それをタノヴィッチがさらに脚色したということだろう。タノヴィッチが監督というのは今ひとつピンと来ないが、あの名作群をキェシロフスキと二人三脚で生み出してきたピェシェヴィチが「原案」だけでなく「脚本」としてクレジットされている以上、キェシロフスキ映画の要素を色濃く残した作品になるはずだ。


これらは新作『美しき運命の傷痕』の公開と、キェシロフスキの没後10年という節目に合わせたものだろう。理由は何であれ、キェシロフスキの作品が再び日本のスクリーンを彩る光景には胸が高鳴る。
もちろん彼自身が監督する新作は永遠に公開されないのだが、過去の作品も色褪せることのない輝きを放っている。とりわけ『ふたりのベロニカ』の復活には、新作が公開さるのと同じくらいドキドキしてしまう。

もしキェシロフスキの映画を見たことがないという人がいたら、再三書いているように、『愛に関する短いフィルム』と『ふたりのベロニカ』だけはご覧になることをお勧めする。その2本が気に入ったなら、20世紀版人間喜劇とも言うべき『デカローグ』全10部作が、あなたを迎えてくれることだろう。


10回目の命日となる3月13日、キェシロフスキ映画と出会えた幸福を噛みしめつつ、天国にいるであろう彼に心からの感謝を捧げよう。


(2006年3月)

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Comments

>ぼのぼのさま
風知草のとみです。
トリコロール三部作の一挙上映オールナイト上映が,京都のみなみ映画会館で行われます。
この映画に勇気づけられたことを思い出しました。

Posted by: とみ | 03/11/2006 13:18

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