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02/25/2006

【CD】ディープ・パープル『ライヴ・イン・ジャパン』

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最近は極力CDを買わないことにしているのだが、Coccoの5年ぶりのシングル「音速パンチ」(これは当然買う!)を買うため久しぶりにタワーレコードに行ったら、Wポイントキャンペーンなどやっているではないか。最近何故か自分の中でレインボーがリバイバルしているせいもあって、ついふらふらと紙ジャケットで再発されたばかりのディープ・パープル『ライヴ・イン・ジャパン』を買ってしまった。おい、今はもう2006年だぞ。34年も前のハードロックのライヴ盤など買って一体どうするんだ。

僕はレインボーの熱狂的ファンだったことはあるものの、ディープ・パープルのファンだったことはない。早い話がパープルよりもレインボーの方が遙かに好きだったのだ。それはそうだろう。イアン・ギランよりもロニー・ジェイムス・ディオ、イアン・ペイスよりもコージー・パウエルの方がいいに決まっているではないか。レインボーには好きな曲がたくさんあるが、ディープ・パープルで好きな曲は、「ハイウェイ・スター」「チャイルド・イン・タイム」「スモーク・オン・ザ・ウォーター」「ウーマン・フロム・トーキョー」「スピード・キング」くらいのもの。1984年の再結成ライヴは見に行ったが、ずいぶんと予定調和的な内容で「しょせんパープルなんてこんなもの」という印象を強めただけだった。

とは言うものの、この『ライヴ・イン・ジャパン』は、ロックを聞き始めたかなり初期に「歴史的名盤」ということで買ったレコードの一つだ。一時はさすがによく聞いた。ただし最初の3曲「ハイウェイ・スター」「チャイルド・イン・タイム」「スモーク・オン・ザ・ウォーター」だけ。その3曲しか聞かない。だって後の曲、退屈なんだもの(笑)。特に最後の「スペース・トラッキン」など1回くらいしか聞いたことがないのではなかろうか。
『イン・ロック』『マシン・ヘッド』やベスト盤などもテープで持っていたが、あえてレコードを買う気にはならなかった。「ハイウェイ・スター」も「スモーク・オン・ザ・ウォーター」も、明らかにライヴヴァージョンの方が力強く、スタジオヴァージョンは気が抜けたような印象しか受けなかったからだ。「ウーマン・フロム・トーキョー」や「スピード・キング」も好きだが、まあテープがあればいいか…というレヴェル。そう言えば僕は未だに第三期パープルの代表曲「バーン」をまともに聞いたことがない。
そして『ライヴ・イン・ジャパン』も持っているのはレコードだけで、CDを買ったことは一度もないので、この音源を聞くのはほぼ20年ぶりということになる。今調べたら、聞きもしないアナログLPをまだ持っていたことに自分で驚いた。

そんなわけで初めて買ったパープルのCDをiTunesに落とし、パソコンで聞いてみる。約20年ぶりのご対面。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・メチャクチャかっこいい。


思わずヘッドフォンをつないで聞いてしまった。

リマスタリングされた音は、驚くほど生々しくダイナミックで、とても34年前のライヴ音源とは思えない。音質的には、つい最近録音されたライヴ盤と言っても十分通用するだろう。

あらためて聞いてみると、演奏もほぼ完璧ではないか。確かに2006年の耳からすると、一つ一つの楽器はテクニック的に見劣りする。もっと複雑怪奇なフレーズを、リッチー・ブラックモアよりも速く弾けるギタリストは掃いて捨てるほどいるだろう。だが言うまでもないことだが、テクニックとは何かを表現するための手段に過ぎない。表現したいことを的確に表現できるだけあれば十分だし、それ以上の余計なテクニックを誇示すれば、かえって音楽の本質を損ねることにもなりかねない。
このアルバムにおけるパープルの演奏は、テクニック的には素朴でも、言うべきことを言いきっており、楽曲全体としてはケチの付けようがない完成度に達している。素朴なテクニックをフル活用して最大の表現を生み出すスタンスは、レッド・ツエッペリンやフリーなど、70年代前半のハードロックバンドに共通する特徴だ。
特筆すべきは全編にみなぎるグルーヴ感。リマスタリングによって低音が強調されたせいもあるだろうが、ギターソロなどの上物ばかり派手で、グルーヴ感に欠ける凡百のハードロックとは、格が違うことがよくわかる。
【注】このアルバムにオーバーダビングが施されていることは周知の事実。当日の演奏は、ここまで完成され尽くしたたものではなかったと思うが、あくまでも「ライヴ盤に記録された演奏」の話なので、それはここでは問題にならない。

そして自分で一番驚いたのは、パープルの熱心なファンではなかったにも関わらず、「ハイウェイ・スター」と「スモーク・オン・ザ・ウォーター」の音を隅々までよく覚えていたことだ。どんなものであれ、その世界に入り立ての頃に覚えたものは、好き嫌いのレヴェルを超えて、記憶に深く刻み込まれてしまうようだ。三つ子の魂百までも。ギターやキーボードソロのフレーズはもちろん、あのどうしようもなく無内容な歌詞まで覚えていたのには思わず苦笑してしまった。歌詞の酷さが、パープルを好きになれなかった理由の一つなのに… 


ともあれ約20年ぶりの『ライヴ・イン・ジャパン』、存分に堪能した。これからも時々聞くことになるだろう。


しかしこのアルバム、収録曲が少なすぎるのが難点なんだよな…


え? 「スモーク・オン・ザ・ウォーター」の後にまだ4曲あったの?(汗)


僕にとって「『ライヴ・イン・ジャパン』は最初の3曲だけ」という状況は、今も昔も変わりないようだ。


(2006年2月)

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