« 【映画】2005年度 日本映画ベストテン | Main | 【演劇】2005年度 演劇ベストテン »

01/15/2006

【映画】2005年度 外国映画ベストテン

C0000492_0


少し遅くなったが、2005年度 外国映画ベストテンを発表。


1.亀も空を飛ぶ
2.エレニの旅
3.海を飛ぶ夢
4.ミリオンダラー・ベイビー
5.ライトニング・イン・ア・ボトル
6.キング・コング
7.シン・シティ
8.ネバーランド
9.サイドウェイ
10.チャーリーとチョコレート工場


2005年の外国映画は凄まじい豊作。10本選んでも『バタフライ・エフェクト』『インファナル・アフェア 終極無間』『カンフーハッスル』『ウィスキー』『バットマン ビギンズ』『宇宙戦争』『ヒトラー〜最期の12日間〜』『蝋人形の館』『ダーク・ウォーター』など、普通ならベストテンに入って当然の映画がゴロゴロ落ちている。

特に興行的にも批評的にも残酷なまでに無視された『ダーク・ウォーター』については、『THE JUON』など他のホラーものとはまったく別次元にある、感動的な人間ドラマであったことを強調したい。なぜこの作品を『セントラル・ステーション』『モーターサイクル・ダイアリーズ』のウォルター・サレスが監督したのか、本編を見れば、その理由がよくわかるはずだ。

ベストワンの『亀も空を飛ぶ』は2004年のフィルメックスで見た作品で、実は2005年には見ていない(近日中に名画座で再見する予定あり)。その作品を2005年のベストワンに選ぶのはどうかと思ったが、2004年に選んでいない以上、ここで外すわけにもいかない。バフマン・ゴバディ監督、2002年の『酔っぱらった馬の時間』に続く年間ベストワン奪取。21世紀初頭、最も期待できる監督の筆頭に上げてもいいだろう。

純粋に2005年に見た新作なら『エレニの旅』がベストだが、今更アンゲロプロスの素晴らしさを称えても…という思いが、やはりこの作品ではなくゴバディ映画をトップに据えることになった。

新鮮さという点では、あのアレハンドロ・アメナバールが『海を飛ぶ夢』のよう映画を撮ったことが大きな驚きだった。ただのスリラー作家ではないことがわかった彼が、次にどんな作品を撮るのか大いに注目したい。

トップ3は非アメリカ映画だが、それ以下の7本はすべてアメリカ映画。『キング・コング』のような超大作から『サイドウェイ』のような低予算のインディペンデント映画まで、アメリカ映画が信じられないほど豊かな実りを見せてくれた年だった。年の初めに『ネバーランド』を見たとき、この映画が年間のベスト5から落ちるとは夢にも思わなかった。それほど今年の外国映画は豊作だったということだ。

『ライトニング・イン・ア・ボトル』は、これまでに作られた音楽ドキュメンタリーの中でも最高傑作の一本に数えられる傑作。至福の109分間に酔いしれる。


以下、部門賞。


★監督賞 
 バフマン・ゴバディ『亀も空を飛ぶ』

★脚本賞
 ポール・ハギス『ミリオンダラー・ベイビー』

★主演男優賞
 ハビエル・バルデム『海を飛ぶ夢』

★主演女優賞
ヒラリー・スワンク『ミリオンダラーベイビー』

★助演男優賞
 ミッキー・ローク『シン・シティ』

★助演女優賞
 ケイト・ウィンスレット『ネバーランド』

★音楽賞
 『ライトニング・イン・ア・ボトル』


監督賞は文句なし。

脚本のポール・ハギスは監督作品『クラッシュ』が大好評らしいし、今後のアメリカ映画界を支える重要な才能になるかも。

主演男優賞のハビエル・バルデムは、体をまったく動かすことなく、表情と台詞回しだけで、あれだけの感情表現をこなした点を評価したい。対抗馬は、台詞無しであれだけの感情表現をこなしたキング・コング(笑)。

主演女優賞は『キング・コング』のナオミ・ワッツとどちらにすべきか大いに悩んだが、演技の難易度の高さでヒラリー・スワンクを選んだ。でも今一番好きな外国女優は、やはりナオミ・ワッツ。

オムニバス映画『シン・シティ』において、ミッキー・ロークは、一つのエピソードの主役なのだが、どうしても賞を上げたかったので、無理矢理助演扱いにした。腕っ節だけは強いが、その醜さ故に女に相手にされない男の愚直で純真な恋心を表現して泣かせる。考えてみると、彼の演じたマーヴとキング・コングは限りなくキャラが似ているな。

ケイト・ウィンスレットはこれまであまり良い印象がなかったのだが、『ネバーランド』の彼女は文句なしに素晴らしい。同作品のジュリー・クリスティがまた泣かせる。


音楽賞の『ライトニング・イン・ア・ボトル』はある意味反則だが、良いものは良い。普通の劇伴音楽に限るなら『シン・シティ』に。


今年2006年も、テレンス・マリック待望の新作『ザ・ニュー・ワールド』を筆頭に、様々な期待作が公開される。どんな感動と出会えるか楽しみだ。

なお、2005年の反省としては、近場にシネコンが複数できたため、見た作品がメジャー系に偏り、単館系作品が少なかったこと。渋谷にユーロスペースなどの入った単館系のシネコンができたことだし、今年はもう少し単館系/アート系の作品を見ることに力を入れる予定。


(2006年1月初出)

|

« 【映画】2005年度 日本映画ベストテン | Main | 【演劇】2005年度 演劇ベストテン »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/85126/8175624

Listed below are links to weblogs that reference 【映画】2005年度 外国映画ベストテン:

« 【映画】2005年度 日本映画ベストテン | Main | 【演劇】2005年度 演劇ベストテン »