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06/11/2005

【映画】『トロイ』ダイナマイトムービー

決して悪くはない。と言うか普通に面白い。

特に絵作りは見事。1950〜60年代にたくさん作られた歴史スペクタクルでは見られなかった壮大な映像をふんだんに楽しむことが出来る。こういう節度あるCGの使い方は大歓迎だ。『オーシャン・オブ・ファイヤー』の評で、どこかの雑誌に「ジョンストン監督は、砂嵐やイナゴの襲来など実際に起こりうるが撮影が困難なものだけに限定してVFXを使っている。そのストイックさは称賛に値する」というようなことが書かれていた。その言葉は、この作品にも当てはまるだろう。
そしてとりわけ素晴らしいのが、ブラッド・ピット扮するアキレスの、舞かスポーツのごとき殺陣だ。これは本作の中で最も最も美しく、最も斬新な見せ場だ。これには文句なしに拍手を送りたい。


しかし…正直な印象を言えば、「肩すかしを食らった」感は否めない。

何よりも、これだけの製作費と2時間40分以上の上映時間を使いながら、物語やテーマの部分で、こちらの予想を超えるものが何一つないというのは、さすがにいかがなものかと思う。

もちろん昔の歴史大作ほど脳天気なスペクタクルや、わかりやすい勧善懲悪物語になっているわけではないが、なぜ今『イリアス』を映画化するのかという必然性はまったく見えてこない。ところどころに現代的な要素を入れようとした形跡はあるのだが、まさに「形跡」だけにとどまっていて、21世紀の観客の心をつかむドラマとしては結実していない。
特に気になったのは、『イリアス』という古典に対するスタンスの中途半端さだ。早い話が、このトロイ戦争の物語、とりわけ登場人物のモチベーションは、そのままでは現代人に受け入れられないようなものが多い。例えばオーランド・ブルーム扮するパリスの行動に共感できる観客が、どれだけいるだろうか?
その問題をどう処理するか? 一つは、古典に忠実な姿勢を取り、現代性はないが重厚壮麗なる歴史悲劇として描いたり、本来の姿どおり、神々の意志によって翻弄される人間の姿を神話的な語り口で描いたりするパターン。もう一つは、古典をあくまでも素材とみなして大胆な脚色を行い、現代的な人間ドラマとして再構成するパターン。
この『トロイ』は、その両方の折衷と言えば聞こえはいいが、要するにどちらにも徹することができない迷いが全編を支配し、薄っぺらな、どっちつかずの作品に終わっている。

そんなわけで、見所はやはりブラビの孤軍奮闘に尽きる。
殺陣も素晴らしいが、あの見事な肉体美は四十男の希望の星だ。
よし、明日から目指すぞ! ブラピの肉体(笑)。


ちなみにこの作品、女の乳は一度も見えないが、ブラピの乳と尻だけはたっぷりと拝むことが出来る(^^;)。
おそらくその筋の方々にとっては、本年度最大のダイナマイトムービーとなることだろう(^^;)。
本公開となる来週、新宿二丁目はこの映画の話題で持ちきりとなるに違いない(^^;)。
新宿ミラノと新宿ピカデリー1に集まる客層に注目だ(^^;)。


(2004年5月初出)

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