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06/17/2005

【映画】『バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲!!』短評

あまりの悪評に、何の期待も無しに見たからだろうか。僕はなかなか楽しめた。少なくとも、うるさいだけの悪役と鬱陶しいだけのヒロインばかりが目立った『バットマン フォーエヴァー』よりは遙かに良くできていると思う。

宣伝では主役扱いになっているシュワルツェネッガー、新バットマンのジョージ・クルーニー、フェロモン全開のユマ・サーマンなど、出演者が皆なかなか魅力的。アクションも非常に派手。前回では明るすぎた画面も、今回はぐっとダークなものに変わり、その暗い映像の中で原色の派手な色彩が動き回る様は見物だ。あの蛍光塗料集団(笑)を筆頭に、街のワルどもがなかなかチャーミングなのも気に入った。

僕はティム・バートン版バットマン(特に『リターンズ』)の大ファンであり、それだけに前作『フォーエヴァー』にはがっかりしたのだが、この作品を見て、「シリーズものとしてはこれでいいのだ」と納得した。大体シリーズ4作目にもなって、まだブルース・ウェインが幼少期のトラウマに悩む姿を見たいという観客がいるものだろうか? それではどうあがいても「『リターンズ』には及ばないね」で終わるのが落ちだろう。
クルーニーがインタビューで「30過ぎの男がいつまでも両親の死を嘆き悲しんでいたって、観客は共感してくれないよ」というようなことを言っていたが、その通りだと思う。だからこそ今回は『リターンズ』のように「失われた家族」の話ではなく、「新たな家族を作り上げる」話になっているのだろう。「善でも悪でもないバットマン」というキャラクターも、ヒーロー・アクションとしてシリーズを続けていく前提に立てば、いずれは切り捨てざるをえないものだ(それを中途半端にやって、矛盾で自滅していったのがゴジラの新シリーズ)。このいさぎよいキャラクターの変更と純粋娯楽路線への転換を、僕は支持する。
ティム・バートン版とどちらが良いかと言えば、言うまでもなくバートン版だが、それとは全く別の作品として、そしてシリーズの4作目としては、これで良いのだ。一つ特筆しておきたいのは、台詞も含め、全編が非常に性的な暗示に満ちていること。これは思わぬ新機軸だった。

主な欠点も上げておくと、上映時間が長すぎて、クライマックスのあたりで少し飽きてくること。もっとコンパクトにまとめて欲しかった。そして美術セットにムチャクチャ凝ってる割には、人間に金を使っていない(?)こと。パーティー会場に並んだ顔の貧乏くささには、とても悲しくなった。


(1997年8月初出/2001年1月改訂)

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