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06/29/2005

【映画】『アイズ ワイド シャット』短評

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結局3回見たが、未だに自分の中でこの作品の位置を定められずに困っている。

以前に比べて題材こそ日常的になったが、その映像にはやはり「キューブリック!」としか言いようのない個性が溢れ返っている。チラチラとキューブリック的なモチーフが登場するところも実に楽しい。

しかしこの作品が、かつて自分を夢中にさせた『バリー・リンドン』や『時計じかけのオレンジ』『2001年宇宙の旅』といった作品と同じクオリティを持っているかといえば、どう考えても否と答えざるをえない。それらの作品と比べた場合、一画面一画面にみなぎる緊張感が格段に違う。やはりこの映画からは、どこか弛緩した印象を受けずにはいられない。

作品のテーマに関しては、弱ったことに何度見ても初見の時以上に考察が進まない。ごくごく素直に夫婦間の問題を扱ったものと受け止めていいのだろうが、そのような日常的テーマとキューブリックらしい大仰な表現がうまく融合しているかどうかはいささか疑問だ。

それにしてもキューブリックとアンゲロプロス…好きな監督ベスト3に入るこの2人の新作が同じ年に公開され、しかもその両作品で、自分と作品との位置関係を定められずに戸惑うことになろうとは…


【注】2005年6月
最後に出てくる戸惑ったアンゲロプロス映画とは『永遠と一日』のこと。


(1999年10月初出/2001年1月改訂)

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