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06/17/2005

【映画】『ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒』短評

とうとう3回も見てしまった(笑)。

で、結論。これはやはり失敗作だろう。繰り替えし見れば見るほど、ストーリーや設定の破綻ぶりが顕わになってきて、さすがに辛いものがある。
疑問点や矛盾点を数え上げたら切りがないが、一点だけ上げると、なぜガメラはイリスに対して一回もプラズマ火球を吐かなかったのだろう? 自分の手を吹き飛ばすくらいなら、突き刺さっているイリスの触手か目の前にあるイリスの頭を吹き飛ばした方がよほど合理的だと思うのだが。レギオンのように、イリスにはプラズマ火球が通じないという描写はなかったし、結局は自分の手を断ち切るために吐いてるのだから、「マナを消費しないため」という言い訳も通用しまい。こういう点が前2作ではきっちり描かれていただけに、その不合理さが余計際だつ。

そして第二の結論。ではこれがつまらない作品かというと、全然そんなことはなく(いや、つまらない部分もかなりあるのだが)、驚異的に面白く感動的な作品に仕上がっている。

僕は前田愛という女の子にほとんど魅力を感じなかったので、彼女がらみのシーンはおおむね退屈だが、ガメラ、ギャオス、イリスの出てくるシーンはどれもこれも素晴らしい。最初見たときは、「え? これだけで終わり?」と、少々物足りない感じを覚えた渋谷の破壊シーンも、見直せば見直すほど、その緻密さに震えが来るようになった。朱雀をモチーフとしたイリスの圧倒的な美しさ、さらに生物感を増したギャオス、鬼神のごとき形相に変貌したガメラ…こいつらが出てくるシーンは一瞬たりとも目が離せない。

「ガメラと人間の関係は結局何だったんだ?」とか、「何でイリスは人間と合体したがったんだ? 何か得することがあるのか?」などと問うのは、もうやめよう。これは伊藤和典と金子修介が対立した結果、脚本が滅茶苦茶になってしまった「失敗作」なのだから、整合性など求めてもムダだ。そんな劣悪なストーリーの中から、なおも溢れ出てくる興奮と感動だけを素直に味わえばそれでよし。

また、誰が何と言おうとあの幕切れは100%支持する。あのラストに対して、あっけないとか続編が見たいなどと言うのは野暮の骨頂。3部作のラストとして、あれ以上のものは考えられないし、あのラストがあればこそ、僕はこの「失敗作」を擁護してやまないのだ。


ところでイリスの幼生の頭部を見て、即座に「あっ、ガバドンの幼生だ!」と思ったのは僕だけだろうか?


(1999年4月初出/2001年1月改訂)

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