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05/08/2005

【映画】『ライブ・フレッシュ』短評

見る前の予想とは全然違う映画だった。すごくドロドロネチョネチョした作品だろうと思っていたら、ある意味非常に真っ当なラヴ・ストーリー、真っ当な人間ドラマではないか。恥ずかしながらアルモドバルの映画は、これが初体験なのだが、いつもこんな感じなのだろうか?

原作については何も知らないが、とにかく先の予測がつかないストーリー展開が面白すぎる。と言っても大向こうをうならせる仕掛けがあるわけではないし、大げさなテーマや、これ見よがしの泣かせどころがあるわけでもない。しかし主要な登場人物一人一人のキャラクターがとても丹念に描かれているため(正確に言えばサンチョだけが少々物足りない)、彼らの行動に素直に感情移入が出来る。
これについては役者の魅力も大きいだろう。とりわけ主演のリベルト・ラバルとフランチェスカ・カネリ! 最初の内はアクの強さに辟易していたのに、それが次第に魅力的に見えてくるのはなぜだ? 2人が結ばれるシーンでは、そのエロティックな描写による「官能」もさることながら、えも言われぬ「感動」で胸がいっぱいになる。あのラストのモノローグにも涙が出そうになった。どうしようもなくややこしく、どうしようもなく皮肉な人生を描いておきながら、最終的には人生に対する強い肯定で終わるあのラストの、何という素晴らしさ。

アルモドバル映画は、他の作品もこれくらい見事なものなのだろうか? だとすれば、今まで食わず嫌いで見ようとしなかったのは、とんでもない損失だったことになる。客の入りは今一つのようだが(確かに宣伝のしようがない作品ではある)、これは必見の傑作だ。


(1998年9月初出/2001年1月改訂)

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 有楽町スバル座で「スライディング・ドア」(no.134)を観る。  主演が「セブン」「大いなる遺産」のグウィネス・パウトロウ(なんて発音しにくい名前だ)。「大いなる遺産」から彼女にハマリつつある。女優で映画を観るのは、アネット・ベニング主演の「めぐり逢い」以来だ..... [Read More]

Tracked on 09/09/2005 15:27

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