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05/23/2005

【映画】『ギャラクシー・クエスト』見落とし厳禁の素敵な娯楽映画

素晴らしい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!(^o^)


本当に素晴らしい!!!!!!!!!!!!!!!!!(^o^)


前評判がかなり高かったので、それなりに面白いだろうとは思っていたが、まさかここまで楽しく面白く感動的な作品になっていようとは、予想を遙かに超えていた

題材は『スター・トレック』のTVシリーズ及びトレッキー(スタトレの熱烈なファンたち)のパロディだが、ストーリー自体は、もろに『バグズ・ライフ』、又は三谷幸喜のTVドラマ『合い言葉は勇気』(笑)。製作は1999年で、おそらく『バグズ・ライフ』の方が少し前だと思うが、ここまで似ているのはただの偶然だろうか? また『合い言葉は勇気』は『バグズ・ライフ』のパクリだと思っていたが、どうも内容からすると、こちらにより近い感じがする。これははたして…
もっとも『バグズ・ライフ』自体、『七人の侍』のパロディといった趣が強いので、何が何を盗んだとかあまり追及するのは野暮というもの。仮に元ネタとして何かをパクっていたとしても、それが結果的にオリジナリティを持った面白い作品に仕上がっていれば、観客としては文句を言う筋合いはない。

そういう観点からすれば、『ギャラクシー・クエスト』は十分なオリジナリティと圧倒的な面白さに溢れている。なかなかよく出来てはいたものの、若干の食い足りなさも覚えた『バグズ・ライフ』の弱点をすべて克服し、娯楽映画として一段も二段も上のレベルに到達している。

コメディとしての面白さ、パロディとしての楽しさは、絶品としか言いようがない。ネタバレになるので具体的な記述は避けるが、全体的にはすべて予想通りの展開なのに、予定調和の展開を微妙にはずすテクニックと、「ここぞ」という決め所でお約束が炸裂する、そのバランスが素晴らしすぎ。演出も演技も素晴らしいが、やはり成功の最大の要因は見事な脚本だろう。

しかも抱腹絶倒のコメディでありながら、要所要所に泣かせのツボを配し、例えば『フル・モンティ』や『蒲田行進曲』などに通じる「ダメ人間の復権」ドラマを展開させているのだから、これを絶賛せずに何を絶賛しろと言うのだ!


ただし不満もないではない。例えばかなり肝心なところで「あれ? 何でそうなるんだ?」という唐突な展開が何度か見られる。また今のままでも十分に感動的だが、あとちょっとの工夫で、さらに感動的でさらに泣かせるドラマにもなりえたのでは?という部分も見受けられる。そもそもアイディア自体はそれほど新鮮とは言えず、例えば10年前20年前に作られていてもおかしくない類の映画ではある。
だがそれは極めて高いレベルでの不満だ。唐突な展開に対する不満は、何でもないエピソードまですべて伏線として機能している緻密さ故に、些細な荒が気になってしまっただけだろう。泣かせる要素も、娯楽映画としてのバランスを崩さないためにはあの程度で良かったのかもしれない。新鮮味の少なさについては、語り口の巧みさで十分に補われている。


とは言え、この映画と『チャーリーズ・エンジェル』のどちらを取るかと言われれば、僕は『チャーリーズ・エンジェル』を取るだろう。この映画の最大の欠点は、その素晴らしいバランス感覚が、見方を変えると少々マイルドな印象を与え、徹底した娯楽至上主義で見る者を唖然とさせた『チャーリーズ・エンジェル』ほどのインパクトを獲得できていないことだ。
だがこれまた逆の観点からすると、そのマイルドさ、そのバランス感覚の見事さこそ、この作品の最大の強みだとも言える。僕は徹底した快楽主義に貫かれた『チャーリーズ・エンジェル』を手放しで大絶賛するが、あらゆる生産性を度外視した過激さ故に、あの作品を受けつけない人がいるのも十分理解できる。それに比べると『ギャラクシー・クエスト』は圧倒的に万人向けである。1年に1本、いや5年に1本しか映画を見ないような人を連れていっても、まず確実に楽しんでもらえる映画である。それほどの映画が「スター・トレックのパロディ」という表面的な要素によって、一般観客に面白さが浸透せず、公開も単館扱いとは、あまりにも悲しい。 


だからこそ声を大にして言おう。


『ギャラクシー・クエスト』は本当に面白い!!!!!!!!!!(^o^)


この映画は決して一部マニアの慰みものになるべき作品ではないし、いわんやスター・トレックのファンでないと楽しめないなどということはまったくない(もちろんファンならより楽しめるとは思うが)。もっと普遍的に誰もが楽しめる良質な娯楽映画だ。アート・フィルムならともかく、こんなに誰もが楽しめる良質の娯楽映画が、一部の人間の目にしか止まらないというのは、一人の映画ファンとしてあまりにも歯がゆい。

ポスターのイメージなどは単なるバカ映画といった趣だし、僕自身いろいろなところで高い評判を聞かなかったら、きっと見なかった映画だと思う。多分そんな人が他にもたくさんいるはずだ。どうかそういった先入観は捨てて、ぜひとも劇場に駆けつけて欲しい。芸術映画至上主義者ならともかく、多少なりとも映画に「楽しさ」や「面白さ」を求める人なら必見の作品だ。


(2001年2月初出)

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