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05/16/2005

【映画】『M/OTHER』短評

ちょっと肩すかし。確かに面白い部分もあるのだが、だからと言ってこの内容に2時間27分もの時間が必要だったのかどうか… 人工的な照明をほとんど使わず、ときとして人物の表情がほとんど見えないような画面が続く中、この上映時間はさすがに辛い。

諏訪監督の前作『2/デュオ』との比較で言えば、前作の方が無駄なく引き締まっていたと思うし、テーマ的にもしっくり来るものがあった。ここに描かれている人間関係は、今の自分とあまりにも無縁な部分が多すぎる。

もっとも残念だったのは、「子供」の心理があまり描かれていなかったこと。「この作品は一組の男と女の心の動きを追ったものであって、子供はストーリーを推し進めるための道具に過ぎない」と言われれば確かにその通りなのだが、あのような状況に置かれた子供の心理はとても興味深いものがあったし、子供の言動一つ一つが女の心に与えていく影響が微細に描かれていれば、もっとスリリングな展開になったと思うのだが。
まあきちんとした脚本を用意せず、役者が自らダイアローグを考えていくような撮影方式では、子供がそこに参加するのはさすがに無理だろうから、贅沢な注文だとは思う。ただ実を言うと僕がもっとも自分自身を投影することが出来たのは、男でも女でもなく、この子供だったのだが。

とりあえず『2/デュオ』を気に入った人なら、一度見ておくべきだろう。ただし何の予備知識もなくいきなりこれを見せられたら、音を上げる観客も少なからずいるはずだ。カンヌで国際批評家連盟賞を受賞した作品だが、一昨年にカメラ・ドール(新人賞)を受賞した『萌の朱雀』にある意味よく似た雰囲気を持っている。最近のカンヌはこういう作品が好きなのかな? 


(1999年11月初出/2001年1月改訂)


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