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04/14/2005

【音楽】三上ちさこ 2005.2.4 クラブクアトロ

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2005年2月4日(金) クラブクアトロ


fra-foaのヴォーカリスト、三上ちさこのソロライヴ(fra-foa時代は「三上ちさ子」だったが、ソロ名義ではなぜか「三上ちさこ」になっている)。昨年秋に出た初のソロアルバム『わたしはあなたの宇宙』が、どうにも今ひとつな内容だったため、期待より不安の方が大きいライヴだったが、その不安が的中した内容だった。

最大の問題は、やはりソロの楽曲に魅力が無さすぎること。あの楽曲をライヴでどのような方向に成長させるのか興味を持っていたのだが、魅力がない曲はやはり魅力がないままで、「変化」はあっても、これといった「成長」は見られなかった。

そしてバンド。どのメンバーもヘタではない。それどころかテクニック的にはfra-foaのメンバーよりも上だろう。だがステージ上での配置どおり、女王様たるちさこを遠巻きにして、あくまでもバックバンドに徹しているため、音楽的な化学反応がまったく起こらない。おそらくこれがライヴにおける楽曲の成長を妨げている所以だろう。fra-foaのナンバー「月と砂漠」や、去年fra-foaのライヴで演奏された「咲かない花」を聞いても、あれだけ分厚く整合性のある音を出しながら、そこにはfra-foaにあった何か大切なものがすっぽり抜け落ちている。音としては見事でも、ちっとも心を揺り動かされない。

三上ちさこがfra-foaの中心人物であることは誰が見ても明らかだ。だが決して「三上ちさこ=fra-foa」ではなかったことが、これでよくわかる。やはりfra-foaの楽曲は、カリスマ的だが不安定な三上ちさこのヴォーカルと、決してテクニシャンとは言えないが、情熱だけは誰にも負けないぞという3人の男メンバーの演奏が合体することで、あの唯一無二の輝きを放つのだ。確かに高橋のギターが、ちさこの成長した表現力に追いついていかない場面はよく見受けられる。だが演奏的にはギクシャクした部分もある4人が、それでも一心不乱に楽曲を演奏する熱さこそが、fra-foaの歌に純粋さと強固なリアリティを与えているのだ。

そんなわけで、今日のライヴで告知された5月14日のfra-foaライヴに期待したい。もっとも昨年の1月25日、下北沢のCLUB251で突発的に行われたライヴは、fra-foaとして演奏するのがあまりに久しぶりだったせいか、歌も演奏もまったく噛み合わず空回りし続け。これまでに見たfra-foaのライヴとしては最悪の出来だっただけに、あまり期待しない方がいいのかもしれないが。それにしても1年に1回ライヴをやるだけのバンドって一体…

ただし今日のライヴもまったく見所がなかったわけではない。ちさこのヴォーカルはますますスケールが大きくなり、もう一つの世界をかいま見せてくれる瞬間も少なからずあった。ただそれがあくまでもちさこの孤軍奮闘に過ぎなかったため、fra-foaのように楽曲単位で世界を塗り替えてしまうものにはなりえなかったということだ。

そしてある意味今日の最大の見所と言えるのは、ちさこが凄絶なまでに美しかったことだ。一体どうしてしまったんだろう?と恐くなるほどの美しさ。かつての少年のような美しさ、ガラス細工のような痛々しい美しさはもはや影を潜め、大人の女の妖艶な美しさを全身から迸らせるちさこ。子供を産んだせいと言いたいところだが、産休からの復帰を告げた1年前のfra-foaライヴでは、ここまで美しくはなかったはずだ。この1年で、彼女にどんな変化があったのだろう?


(2005年2月初出)

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