【映画】『セントラル・ステーション』短評
実に姑息な映画だと思う。
大体子供を使って泣かせようという魂胆がさもしい。
親を亡くした子供と、孤独な老婦人のロード・ムービー…観客の涙を搾り取ろうと言わんばかりの作為的な設定だ。
こんな設定を臆面もなく出してくるとは、この脚本家、恥というものを知らないのだろうか?
主人公2人の性格の変化、後で意味を帯びてくる様々な伏線、降りかかる困難とその克服が繰り返される構成、巧妙な小道具の使い方…まるで映画やシナリオの教科書をそのままコピーしてきたかのようで、新鮮味の欠片もない。目新しいところと言えばブラジルの風景や社会の描写だが(しかしあの国では、本当にコソ泥した子供をその場で撃ち殺しているのか??)、それもある種のエキゾチシズムと片づけることは可能だ。
とにかく実に小賢しく、忌々しい、お涙頂戴映画だ。
言うまでもなく、こんな映画を見て泣く奴は「バカ」である。
ハンカチ出すのも忘れて涙を流し、立ち上がったとき襟がびっしょり濡れていて気持ち悪い思いをする奴など、「バカの最たる者」である。
ようやく涙が乾いたと思って、パンフレット買おうとして声を出したら、まだほとんど涙声で、焦って思わず声を詰まらせるような奴は、「バカの中のバカ」である。
電車の中でパンフを見始めたら、また涙が出そうになって焦ったりする奴は、「死ななきゃ治らないバカ」である。
パンフをしまってほっとしたのもつかの間、それでもなぜか涙が出そうになって困るような奴は「死んでも治らないバカ」である。
ああ、そうだよ。その通りだよ…(;_;)
オレはどうせ「バカの大将」「バカの王様」だよ(;_;)(;_;)
悪いか? 文句ある奴は表に出ろ!(;_;)(;_;)(;_;)
(1999年4月初出/2001年1月改訂)
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