« 【映画】『ウェディング・シンガー』短評 | Main | 【映画】『ホワイトアウト』 だから良くも悪くもB級映画なんだって »

03/20/2005

【映画】『オープン・ユア・アイズ』短評

怖い。

とにかく怖い。

ここまで怖い映画を見たのは『ヘンリー』(ジョン・マクノートン監督)以来のことではなかろうか?

内容が内容だけに、詳しいことをまったく書けないのが残念。アイディア自体は必ずしも珍しいものではないけれど(最近こういうフィリップ・K・ディックみたいなアイディアが妙に流行るな)、主人公の疎外感やコンプレックスといった人間的な要素を描き込むことで、その荒唐無稽な悪夢が、おそろしいリアリティをもって迫ってくる。 
特にラスト20分ほどは鳥肌もの。今の自分は本当の自分なのか? 目の前にいる人間は、本当に実在する人物なのか? どこまでが現実でどこまでが夢なのか? この映画を見た後、ほとんどの人間は周りを見回して、自分という人間が今そこに実在していることを確認したくなるに違いない。本編が終わって、エンド・クレジットが始まったとき、場内のあちこちから漏れた重い溜め息がそれを証明している。

ただ『テシス/次に私が殺される』を見たときにも感じたのだが、このアレハンドロ・アメナーバルという監督、映画的な語り口はまだまだ拙いところがある。もっと手短にスパッと語れることを、だらだらと繰り返して、若干の冗漫さを感じさせるからだ。しかしそのような技術的な巧拙を超えた何か特別なものが、この監督にはある。次の作品が非常に楽しみだ。

ところで『テシス/次に私が殺される』は、全世界のオタクに勇気と希望を与えるような作品だったが(笑)、この『オープン・ユア・アイズ』もまた、もっと内面的な意味で実にオタッキーな作品だ(ネタバレになるので、詳しく語れないのが残念)。アレハンドロ・アメナーバル…君、実は生粋のオタクだろう?

しかし意外なくらい劇場は空いていた。その公開形態も含めて、どこか『CUBE』に似たイメージを与える作品なのに、客の入りは大違い。明らかに『CUBE』よりも面白く、語るに値する作品だと思うのだが、一体どういうことだ? みんな見る映画を間違えてると思うぞ。


(1999年7月初出/2001年1月改訂)

|

« 【映画】『ウェディング・シンガー』短評 | Main | 【映画】『ホワイトアウト』 だから良くも悪くもB級映画なんだって »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/85126/3095325

Listed below are links to weblogs that reference 【映画】『オープン・ユア・アイズ』短評:

« 【映画】『ウェディング・シンガー』短評 | Main | 【映画】『ホワイトアウト』 だから良くも悪くもB級映画なんだって »