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03/07/2005

【映画】『X−メン』男の子の血が騒ぐ

いや〜、これは面白い。大いに満足。「こんな物語を真っ当に映画化した作品を、一度でいいから見てみたい」という願望を、そのまま実現してくれた感じ。それだけで嬉しくなる。演出は決して派手なものではないし、様々な意味でオーソドックスな作品だが、贅肉というものがまったくない、引き締まった作り。一時たりとも退屈しない。

「ミュータントの孤独と疎外感」は、この手の作品のお約束だが、『サイボーグ009』であれ何であれ、僕はその手の哀しみに心から共感したことはほとんどない。ところが本作におけるローグの孤独感は痛いほどよくわかる(あの『シザーハンズ』を思わせる見事な設定!)。しかもそのような挿話が、作品のスピードを減速させず、ウルヴァリンの成長ドラマにしっかり結びついているのだから驚きだ。

もちろんまったく問題がないわけではない。幾つか設定に不明瞭な部分があって、時々「?」となる部分がある。イアン・マッケランの好演もあって(ただしアップになるときくらい鼻毛は切ろう(^_^;)マグニートーのキャラは立っているし、ミスティークもなかなか強力だが、セイバートゥースとトードは、ただの三品にしか見えない。
そして何よりも、全体にオーソドックスを通り越してクラシックと言いたくなるようなタッチで、「新鮮さ」という点ではかなり見劣りがする。今後本作が賛否両論を呼ぶとすれば、論点は間違いなくこの点に集中するだろう。

とは言え、それらの欠点を補うに足る魅力が本作には溢れている。評価の分かれ目となるクラシック性も、目を奪う斬新さの代わりに、我々が子供の頃から慣れ親しんできた「超能力ヒーローもの」の懐かしき香りを提供してくれる。説明描写の簡潔さも、アクション演出も見事だし、モノトーンを基調とした美術セットの美しさには惚れ惚れする。

そんなわけで…『X−メン』は実に面白い! 本公開はまだ2週間先だが、かなり期待してもおそらく裏切られることのない作品だ。みんな、公開されたらすぐに劇場に走れ!

P.S.
宣伝コピーは「敵は強大味方はわずか」となっているが、これはまったくの大嘘! X−メン側が学校まで経営して味方を養成しているのに対し、マグニートー側は最後までたったの4人。しかも上でチラリと書いたように、内二人はあまり頭が良さそうに見えない。上記のコピーを真に受けて見に行くと肩すかしを食うことになるので、その点は気を付けよう。

(2000年9月初出/2001年1月改訂)

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