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03/27/2005

【映画】『ダークシティ』短評

東京ファンタスティック映画祭のオールナイトに続き、ロードショーで再見した。

この映像のパワーはやはり桁外れだ。東京映画祭日記でさんざん「ヴィジュアルがすごい」と書いたが、ここで言うヴィジュアルとは、決して静的(美術的)な側面だけではなく、カメラの動きや編集まで含めた映像全体のことだ。今回特に感心したのは、編集のリズム感。例えばあのガキのエイリアンがニタニタ笑ったりする短いカットが、ストーリーの展開とは直接関係なくインサートされることがある。それが見ていて異常に気持ちいい。その音楽的とも言える編集のリズムが、いちいちツボにはまる。

ストーリーや設定については、2回見ても相変わらず意味不明だし(この作品に対して「なぜ?どうして?」という言葉は禁句のようだ)、再見すると、ネタが割れているだけに中盤が意外とかったるかったりもする。各種のアイディアや美術も、過去の様々な作品(映画/小説/漫画)からの影響が明らかで、お世辞にもオリジナリティに富んでいるとは言いがたい。
とは言え、シティの全貌が画面に映し出されるあたりからは、鳥肌もののシーンの連続。ヴィジュアル面でのセンス・オブ・ワンダーについて言えば、ありとあらゆるSF映画の中でも5本の指に入るものだろう。見知らぬ世界を訪れたり、見慣れた世界が変容する様を目撃することが、映画の大きな楽しみの一つだとすれば、そのような楽しみをこれほど与えてくれる作品は希だと思う。

劇場の大きな画面で見るのももちろんいいが、DVDなどを使ってマニアックにディテールを見ていくと、またかなり違った楽しみがありそうだ。かつての『ブレード・ランナー』のように、21世紀初頭のオタク必須アイテムとなることだろう。


(1998年12月初出/2001年1月改訂)

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