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03/03/2005

【映画】『CURE』短評

日本映画の異端のモニュメントとして歴史に残る大傑作。これを
見ずに21世紀を迎えてはならない。何を差し置いても見に行くべし。
ただし見終わった後どれほど嫌な気持ちになっても、当方は一切
関知しないのでそのつもりで。

黒沢清の客観的/即物的な演出が異常なほどの効果を上げている。
例えば「窓から飛び降りる人間→下でピクピクしている人間」を、
あそこまで突き放して描写できる感性は尋常ではない。それが異常
なほど寒々しく、荒涼とした美しさをこの作品に与えている。

ただし「意図的」というには、あまりにも説明不足な部分がある
ことも確かだ。この辺の論理的な繋がりは、黒沢清自身の手になる
ノベライゼーションを読めばよくわかるのだが、あえてサブテキスト
に頼ることなく、2回3回と見直して、独自の解釈を与えていくのも
また一興だろう。

タイトルの「CURE」とは「救済」の意味。この作品で「救済」
されたものは一体何だったのか? なぜこの作品が1997年の日本に
出現しなくてはならなかったのか? 考えれば考えるほど刺激的で、
感じれば感じるほど魅惑的だ。


(1997年12月初出/2001年1月改訂)

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