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03/01/2005

【演劇】クレネリ「乙女の国」 2005.2.3

クレネリ「乙女の国」(駅前劇場)

2005年2月3日(水)


自分で出したことすら忘れていたチケットプレゼントに当たったため観劇。見るまでほとんど何の情報もなかった劇団だが、これが思いも掛けぬ大当たりだった。

駅前劇場の真ん中に作られた舞台を2つの客席ブロックが囲む。そのワンセットを舞台に1幕で1時間40分を押し切ってしまう。
古い屋敷(?)の間借り広告に引かれて集まってきた3人の女たち、その家の少女趣味的な女主人と、彼女の腹違いの妹の5人が繰り広げる凄惨なドラマ。
後半謎が次々と明かされるミステリータッチの構成になっているが、謎解きはストーリー上の方便に過ぎない。その過程で浮き彫りになっていく【呪い】の正体=親子、姉妹、夫婦、恋人といった絆が登場人物たちを苦しめている姿こそ、この作品のテーマだ。

「呪い」を描き出す手法は、ガラス細工のように繊細。だが飲みくだそうとすると、何しろガラスなので内臓のあちこちを突き刺し、血塗れにしていく。
作者も出演者も女性ばかりのためか、魚喃キリコや岡崎京子などの少女漫画に通じる、内面的な残酷さや痛みを濃厚に感じさせる。また桐野夏生や小池真理子といった女性作家が持つ、鋭利さと柔らかさの不思議な共存も見られる。

話の展開が唐突と言うか、急に非現実的になるところもあるが、それが大きな欠点になっていないのは、「呪い」にあえぐ女たちの圧倒的リアリティによる。5人全員のあえぎが、自分の心のどこかと共振する。ストーリーの進行と共に、その共振が深く烈しくなっていく様は、まさに劇の醍醐味である。

ほぼ出ずっぱりの高橋理恵子を筆頭に、5人の女優全員が素晴らしい好演。今後の活動を要チェックだ。また一見地味ながら音楽やSEが非常に大きな効果を上げている。

初めて見る劇団で、ほとんど何の予備知識もなかったのだが、次回作も必ず見ることになるだろう。本当に思いがけない拾い物だった。感動。

http://www.kureneri.com/

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